旧102回 三井住友での大規模詐欺事件 やはり性善説に基づいた安全管理には限界がある

今回は少し前に発覚した三井住友で起きた大規模詐欺の事件を元に安全管理の話をしていこうと思う。ちなみにこの事件では、元副支店長がお金の計算を狂わして差額をちょろまかして約2億円をだまし取ったことが分かったから発覚したものである。(総額は11億円位にまで登るとか)

 私は常日頃から発言しているよね。この日本の社会では性善説に基づいて行動している点が多々あると。これも一種の性善説を頼りにした手法の元に起きた事件だったと私は思う。この事件や今までの大規模な詐欺事件を見ても、性善説による行動は事件や犯罪の温床だという事が分かる。 性善説では、人は必ず善の心を持ち悪の心に勝ることが出来るというような感じである。(私なりの見解)だがしかしこの性善説は平和や幸せの象徴としたい願望も入り混じっている。だからこの性善説というものは、現実から目を背けた考え方にも捉えられるという事だ。

この事件は重要な仕事をする場所・機関に、任せられた人数が1人で行っていたから起きた事件ともいえる。重要な役職に1番信頼できる人間を置くというやり方は間違ってはいない。だがどんなに信頼を置いておいても、人間が人間である限り楽をしたい良い環境に身を置きたいと思うことは必定であろう。だとすると、どこかのタイミングで悪い事を企む時間が0とは言い切れなくなる。そして責任よりも自らの欲が勝った時、犯罪に手を染める事となるのだろう。この時この役職がその人物だけであれば、誰にも気付かれないという一種の安心で欲の増加を加速させる結果にも繋がろう。

このように1人の重要な役職は時に犯罪に手を染めるかもしれない可能性がある事を覚えておいてもらいたい。だがなぜこのような1人の役職で動く事が多いのかというと、1番の信頼を寄せる1人の場合、外部にその情報が漏れる危険性が少なく仕事のスピードも速いという利点があるのだろう。だが、外部に漏れる危険性が少ないとはいえ、たとえ漏れたとしても1人ならうまく隠されれば気付くことが出来ずにより被害が増える結果になる事も想定される。

仕事のスピードが速くなるというのは、この日々変わる速さの早い社会では重要な事なのだが、速さを取ろうとすると例外なく、安心安全の要素が減るという事も頭に入れておいてほしい。 つまり速さを取るか安心安全を取るかという重要な2択だな。機械の能力が向上すればどちらも取れる時代が来るかもしれないが。

 このように重要な役職を1人で任せるというのは、確かに早く仕事はできるかもしれないがその代わりの安心安全が大きく損なわれる結果となる事が良くわかるだろう。この1人に任せる行為は、性善説に基づく行動である。人間という存在に対して絶対の信頼を置く事は時に寝首をかかれる危険性があるという事だ。 やはり性悪説に基づいてある程度のお互い緊張感やお互いの行動を見る事も仕事としては需要な事だろう。

ではここまで1人だと危険だと言っておいて、2人以上なら必ずしも安全かと言うとそうでもない。確かに1人に任せる時よりも犯罪行動をとる危険性は少なくなるだろう。だがしかし少なくなるだけだ。2人以上にしてお互いの事をある意味監視できるような状態にできれば、犯罪の芽が咲く確率は減るだろう。だが複数で結託するとそれも可能という事になる。さらに複数人なら外部にその情報が漏れる可能性も高くなっていくだろう。そういう意味で危険性が増える事になる可能性も普通にあるのだ。もちろん同時に2人以上が仕事に就かなければならない状況下であれば、仕事の速さも当然落ちる結果になるだろう。

こういう人に仕事を任せる事において絶対は絶対に存在しないという事だ。こういう考え方が性悪説の元でもある。 人間とは必ず少しは悪事を行う可能性があるという事。 そも欲が理性を超えた時になる可能性が高くなるという事だ。

 だけども、1人よりも2人以上ならば、犯罪が起きる可能性は格段に低くなるだろう。犯罪をこの会社内の間で防ごうと思うのであれば、やはり会社を動かす人間が抜き打ちで重要な場所の仕事を確認する作業を取る必要が出てくるだろう。完全に任せて放るから犯罪が起きる可能性が上がるのだから。時折抜き打ちで見る事により犯罪防止効果が高まる事であろう。さらにそれを分からせるためには、こういう抜き打ち検査を行う事を周知したうえで、それを行った後に本人や関係者などに公表すると、不正の芽を摘む結果に繋がっていく。

さらにその役職で不正が疑われて発覚した場合、不正をした本人達だけではなく連帯責任としてその役職と同じ立場の者も同じように責任を負わせるようにする。(ただし不正の事実を知らせた者は例外)これを行うと、お互いが不正を監視し合う環境が出来て、より不正が起きる確率を下げることが出来る。 なぜ連帯責任を負わせるのかと言うと、身内の犯罪を見抜けなかった責任と、その事実において同じような不正が行われる危険性がある為、それを防止する目的で行う。

 究極的な面で考えたら、機械に任せられることが出来る物は、完全に機械に任せられるように変えていく必要も出てくるだろう。機械には今のところ余計な私情や欲を持った行動をする事は無いからな。 まあその分ウイルス等には要注意となるが。

会社や組織を経営するとした場合、完全な性善説信奉者はいつか痛い目をその身で味わう結果になるだろう。「人間が人間である限り性善説は幻想であり、常により良く付き合う為には性悪説という考えも頭の中において行動することが必要であろう」

 今の日本の社会を一度性悪説で考えてみてはどうでしょうか?そうすると犯罪がどこから起きるのかが分かると思いますよ。それはリスク分析としてはかなりの効果があると思われます。 性善説だけでは物事の全ては見えてこない。時に性悪説の考え方に基づいた見方をすることで、より安心安全性を高めることが出来るでしょう。

 被害をなるべく受けたくないのであれば、自分の会社の行動を性悪説で分析する必要があるでしょう。ひいてはそれが社会経済をより良くさせる要因にもなっていくでしょう。万引きと言う犯罪は、性善説重視の店で起こる犯罪ですからね。 詐欺やスリ等も同様に性善説を信じすぎると引っかかりやすい。

犯罪撲滅を掲げるのであれば、全ての仕組みを性悪説で塗り固めると可能な状況が見えてくるでしょうね。ただし同時に息苦しくもなる状況となるでしょうが。それを解消させるためにはやはり機械等の技術の発展が必要な事なのでしょうね。

それでは今回はここまでといたします。 ここまで見ていただきまして誠にありがとうございます。

 三井住友~終了~大規模詐欺事件

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