旧134回 ロシアのプーチン明日訪日 ロシアの思惑の解説
さて今回はロシアの代表であるプーチン氏が明日訪日して日本の総理と会談をするという事なのだが、日本の皆様はこれによって北方領土問題が前進して返還に結びつけると思っている人がまだ多いと思うが、今回はこの思いを叩き壊す話を今回はしようと思う。要するに、初夢を見るのはまだ早いという事だな。
早い話が、今回上手く行ったように見えても実際は、不可能に近い状態になる可能性がかなり高いという事だ。それの解説を行っていく。ロシア情勢も踏まえたうえでのロシアが取りそうな手段の解説。 既存のマスメディアもここまで考えられてはいない。
今回の件で日本がロシアに対して求める物は、過去の戦争時に奪われた北方領土といわれる4島の返還が最終目的だ。その返還の為に過去70年以上から今日に至るまで交渉は続けられてきている。対してロシアが日本に求める物は、ロシア経済を上向きにさせる為の経済協力やウクライナ問題で起きた経済制裁の問題の解消である。現在ロシア経済は世界の不況や経済制裁の多くで経済が下向きになっている。なので、これの解消をしなければいけない状況となっている。 その中での今回の訪日からの対談という形になっている。
北方領土問題では、日本は白熱している感じが強いが、対するロシアはそこまで過熱していない。すでに自国の領土だから問題視すらもしていない人が多数。さらに今の状況では、アメリカの次期代表であるトランプ氏がロシアと国交を戻そうとする動きが見られる為、日本への経済協力への関心度も下がってきている状況だ。アメリカと仲良くできるのであれば、無理に日本と交渉する必要も無くなってくるからだ。という状況下から北方領土の解決はかなり難しい局面にあると思われる。
と、ここまではニュース等の情報を詳しく見ている方であれば、すでに既知の内容であろう。そして報道では、今回の対談で総理が何らかの形で良い報告を持ってきてくれるだろうという判断で報道されていることも多いだろう。しかし表向きにはそうであったとしても、実際の返還が成されるのがいつになるのかと聞かれた場合は、不明となるだろう。だってロシアの思惑では経済協力をしてから関係がすごく良くなったとロシアが判断をしてから交渉をするというつもりみたいだから。
つまり、この場ではとりあえず具体的な交渉へ向けての足掛かりが得られる形で日露の経済協力が結ばれる形に落ち着くのではないのか?と思われる。こうすればどちらにも国民に対して満足のいくプレゼントが送れる事となるだろう。
だがしかし、これで日本が安心するのは完全なお馬鹿という事になってしまう。 ここで1つ思い出してほしいのだが、ロシア国民は北方領土に関してすでにロシアが完全に所有権を有した固有の領土であるという認識でいるという事だ。つまり返還をさせるような流れの切れ端でも見え隠れするような事態となれば、ロシア国民がプーチン氏に対して黙っていない事態になりかねないという事だ。これはプーチン氏も政権安泰を目指すのであれば恐れる事であろう。なので、先にも挙げた経済協力が成されたうえで、日露の関係がロシア目線ですごく良い状況となった時に本格協議に赴くというのは、そこまではロシア国民に対して安心させる目的があるという事になる。そしてここでのポイントが、ロシア目線での関係が良くなったという状況である。つまりロシアが良くないという判断を続ける限り話は空中に浮いたままとなり、これまでとなんら変わらずに結局は経済協力を取られただけという事になる。
さらに言えば、日本とロシアのどちらかの代表が変わるなどをした場合は、約束を無効にする可能性も非常に高いという事だ。安倍とプーチンの関係の中で互いに関係が良ければの話で、どちらかが変わった瞬間に関係は振り出しに戻りましたとして無かったことにされる確率が高いという事。
これらは現在のロシア情勢やロシア国民の思いなどからこのようなことになりやすいと見るべきであろう。つまりは平和的に解決しようとしても絶対に一生返ってこない確率が高いという事になる。
そもそも今のロシアが所有権を持つ北方領土では、島の開発が盛んに行われていて、これだけ見ても返還する気は絶対に無い事が伺えるし、現在の島民たちも絶対に日本に渡す気は無いという事で団結している。この状況下で平和的に行こうとしても、ロシア固有の領土を渡す行為はしないという事の一点張りで押し切られる形となるだろう。
結局今回の対談ですごく良い結果が残せるとしたら4島返還は完全に諦めて、昔の通り2島だけの返還で決着をつけるしか手は無い気がする。後日追加では完全に無しの方法。 ただそれでも返還されるのは50年以上先になる可能性も・・・
それではここまで見ていただきまして誠にありがとうございます。
プーチン訪日~終了~北方領土問題