旧296回 海底都市の構造
今回は、海底都市の構造というタイトルですが、詳細な感じで話すわけでなく、あくまでどのような設備や技術が必要だとか、都市として成立させる為に必要な物だとかの解説になります。
最低限の技術レベルでは、無人機による自己修復またはメンテナンスが出来る無人機の開発にまで技術が進めば、海底都市を作る為の最低条件は成り得るでしょう。海底という事で、常に都市の外郭には一定の負荷が掛かり続ける状態が続く為に、人による管理やメンテナンスだけでは対応しきれない可能性が十分に高いので、24時間稼働できるメンテナンスを自動で行なえる無人機やその都市機構そのものでの自動メンテナンスからの修復などが行なえるだけの技術力が無ければ、海底に都市などの人工物を維持させる事はかなり難しい。常に最大クラスの水圧が掛かり続ける状況下にあるからね。
それで何で海底都市の話をするのかと言うと、地球の環境下にすら対応できない技術力で宇宙や他の星に人工物を建造しようとしても難しい物があるからという考えからである。それに加えて、この海底に都市を作れるだけの技術力を有せれば、それは地上においても十分に自然災害や天変地異に匹敵するような環境下でも人間が暮らしていけるような居住環境を作り出せるという事もある。
それが起こっていない状態の地上でその事を考えながら作ろうと思っても無理があるという事で、あえて地球上においていまだに人間が生存圏を成し得てはいなくて他の生物は生存出来ている環境化と言うと、残る場所は海底という海の底である。
地球の血液であるマグマやマントル内に生存圏を確立する事はほぼ無理としても、深海生物という生物が存在出来ている場所に人間が暮らせる環境を作り出せれば、これから起こりうる可能性のある危機に対しての対処策を研究する場においても、今後の宇宙環境下に向かって行く場合においてもこれ以上ないほどの可能性を見つける為の場所として利用できると言うわけである。
それに宇宙とは違ってこちらは地球の中での事なので、幾分かは宇宙よりも事故などの損害に関してはましな状況に出来るし、人命が失われる可能性も少ないだろう。
宇宙の環境化は地球の環境化とは全く違う状況下にあるので、なめてかかる事は死に直面する事である。それに、他の星へ移住する事がこの先起こりえたとした場合、地球の海底の環境に適応できるだけの技術力が無ければ、他の星の未だに不明な環境下にとても耐えきれるとは思えないと考える。地球よりも過酷な環境下であると想像するのならなおさら、地球の中でもかなり過酷な環境下に人間が生存できる環境を作れないのに他の星なら出来るという根拠はどこにも存在しないだろう。
それで実際の建築において必要な物は、まず深海に十分な設備や人材を安全に送れるだけの技術力が必要となるが、深海船の大型を作ろうと思えばどうしてもかなりの技術力が必要となるので、技術力が少ない状態でも可能な方法として考えると、海上都市に海底都市を建設させる為の特化させた機能を持たせて、海底の浅い場所から徐々に海底都市の地盤を作っていくという形で進めて行くと、技術を進化させつつ海底都市建設まで事を進めやすいだろう。まあ現在の宇宙に例えるならば、スペースステーション建設をしているが、そこが海上都市の役割で、次の他の星に建設しようとしているのを海底都市に例えるといった感じだな。
そして必要になるのは、深海の水圧に十分耐えられるほどの素材の作成や技術の確約で、それが前提条件の1つとなる。そしてそれが作れる状況なら、地上においてもかなりの防御能力を持って、あらゆる事象に対してかなりの守る事が出来るようになるだろう。
そして先にも言ったがそれを支えて持たせる為の自動メンテナンスが可能に出来る無人機などの技術が必要になる。それらを成す事でようやく海底都市の外郭部分が出来上がる。深海の水圧から都市を守れるだけの力。
この外郭部分に関しては、ドーム状なり四角状なりどちらでも構わないし、透明だろうが機械で固められていようが構わないとする。ある程度の内側から外側の様子が確認できる環境化は必要だが。
そして次に大事なのが、海底に接地する面の建築部分である。なぜかというと、大陸の地上部分と違い、海底の環境は未だに謎が多く、何かが突然強い力で噴出してくる可能性を否定しきれない。海底火山やマグマの噴出やプレートの移動や地震の影響など。
なので、完全固定型での設置ではなく、非常時には切り離しなども可能なタイプで建築する必要がある。ただし完全な切り離し機能のほかに簡易切り離しによっての小さなひずみやゆがみからのダメージを軽減させるという意味でも、考えていた方が良い。そしてそれによる海底部分のダメージを修復してから、再度都市本体との再合体を成す。 これで全体的な外郭部分の完成である。
そして次は内部空間で必要になって来る物だが、人間というよりも生物にとって生存する為に必要な最低物は、空気と水である。一応食べ物もあるが、最低物かと言うと空気と水よりかは優先度が低くなる。
それで水に関してはろ過装置などが大型で稼働させられれば、素材は周りに大量にあるので何とかなる。
そして空気に関しては、二酸化炭素と植物の光合成が必要なので、二酸化炭素に関しては生物が呼吸される際に必然的に発生する物なので無視するとして、植物の光合成の方は現在の技術でも太陽光を用いない方法での植物の光合成も成されているので、それを大規模で管理維持できるのならば、それほど問題にする必要も無くなる。ついでに水も必要だが、そちらの確保は心配ないのであまり関係ない。
そして次に必要なのは太陽の代わりだが、これは人工太陽や人工灯によって代わりには十分できる。あとは都市としての機能と生物が生存できる環境を整えていければ、海底都市の建設を成し得る事ができるだろう。
そしてこの海底都市の最大のメリットは、地上で発生する様々な自然災害や人工的災害の影響をほぼ受け付けない事と、外からの放射線攻撃や核攻撃などにも十分以上に耐えうる能力を持った避難都市にする事ができるという点だな。特に自然災害での台風や竜巻の発生は無くなるし、地表全体が高温になっても影響はほとんどないし、雷被害の危険性や大寒波による地表全体の凍結になっても海底ならば堪え切れる可能性が高い。
つまり地球での天変地異での自然環境の大変化に対しても堪え切れる可能性を持ちえるという事である。あるいは世界大戦の核戦争が世界規模で起こっても、被害を免れる可能性が高いという事である。宇宙であっても核ミサイルは向けられる可能性があるので、確実性を求めるのならば、空よりも海だろう。深海だと生半可な兵器では到達すら不可能になるので。
それではここまで見て頂きまして誠にありがとうございます。
海底都市~終了~深海